アレルギー性鼻炎に対する手術療法
アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療・高周波電気凝固法を行っています
当科では花粉症やアレルギー性鼻炎の重症例に対して、炭酸ガスレーザーによる下甲介粘膜の蒸散、高周波電気装置による下甲介粘膜凝固術の治療を行っております。
レーザー治療は、鼻粘膜をレーザーで蒸散することによって鼻のアレルギー反応を起こす場所を減らし、鼻症状を軽くしようという治療です。
治療効果は鼻づまりには80%くらい効果があるとされており、くしゃみ鼻水にも効果があります。1~2年くらい治療効果が持続するため、1年中アレルギー性鼻炎で鼻がつまっている方や、花粉症のシーズン中、症状がつらくて全く仕事にならない方、お薬の服用を減らしたい方が対象です。術後の数週間は一時的に鼻症状が悪化してしまうこともあり、花粉症の場合には、花粉症のシーズン前に治療を終了しておくのが理想です。
高周波電気装置による下甲介粘膜凝固術は鼻中隔湾曲症などでレーザーの機械が鼻に入らない方や、レーザーをしても鼻づまりがとれない方に適した治療法です。手術時間がレーザーよりも短くすみ、鼻づまりに対する効果はレーザーよりもあると報告されています。
当院では症例に応じていずれの手術も日帰りで施行可能です。アレルギー性鼻炎による鼻づまりでお悩みの方はご相談ください。
残念ながら手術療法は、アレルギーの体質を改善させる治療法ではありません。これらの治療についてはアレルギーの症状や鼻の所見に応じて行われるもので、すべての人に適応があるわけではありません。詳しくは受診に際に医師にご相談ください。
術前
上の鼻の中の写真です。
下甲介と呼ばれる右下の粘膜の腫れがあります。
CO2レーザー後
術直後の写真です。出血もなく、下甲介粘膜がレーザー蒸散により白く変化しているのがわかります。数週間かけて粘膜下瘢痕化が起こり、アレルギー反応が起こりにくくなると考えられています。
舌下免疫療法について
スギ花粉症・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法(SLIT)について
令和5年はスギ花粉症の薬剤の出荷調整のため、新たに舌下免疫療法を開始できない場合がございます。
舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法とも呼ばれ、病因アレルゲンを投与していくことにより、アレルギーに暴露された場合に引き起こされる症状を緩和すること が期待できます。現在、スギとダニに対する舌下免疫療法用のアレルゲンエキスが発売されています。今まで、一般的に使われているアレルギーの薬や手術は対症療法と呼ばれ、症状を一時的に緩和させることが目的でしたが、アレルゲン免疫療法では2割ほどの人に対して根治的な効果があると報告されています。
しかし、舌下免疫療法にもデメリットがあります。3~5年の治療期間がかかり、即効性を期待できません。スギ花粉症の方は、スギ花粉飛散期から投与開始はできません。すべての人に効果が期待できるわけではなく、副反応の問題もあります。
この治療法は、正しく使用法を守り、薬に対する理解がなければ開始することができません。このため、この薬はすべての医療機関で処方できるわけではなく、講習会を受講し、登録された施設でしか処方できません。
ご希望の方は、受診した際にご相談ください。
効果
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの季節性(スギ花粉症)・通年性(ダニアレルギー)アレルギー性鼻炎の症状に効果があるとされていますが、すべての患者さんに効果を示すわけではありません。
2割くらいの人は症状がほとんど消失し、6割くらいの人は症状が緩和し従来からあるアレルギーの薬を使う量が減少します。しかし残念ながら2割ほどの人には全く効果が期待できません。
効果があるかないかについては、投与前に判断ができず、薬を使ってみて初めてわかります。
対象者
治療対象は「スギ花粉症患者」「ダニアレルギーによる通年性アレルギー性鼻炎患者」であり、アレルギー検査による確定診断が必要です。
舌下免疫療法は、スギおよびダニの治療薬も、12歳以下でも服薬可能となっています。
舌下免疫療法が受けられない方
この治療法は今まで治療した病気や、現在内服している薬によって投薬できない場合もあります。
重症の気管支喘息で治療中の方は、舌下免疫療法により喘息発作を誘発する恐れがあるため投与できません。
悪性腫瘍、または免疫系に影響を及ぼす重篤な全身性の疾患(たとえば、自己免疫疾患や免疫複合体疾患、または免疫不全症など)を治療中の方には、薬の有効性や安全性に影響を与える可能性があり投与できません。
重症な心疾患・肺疾患・高血圧症がある方は、強い副反応が出た時の影響が大きいため主治医の先生とご相談ください。
また、非選択的β遮断薬(降圧剤)、全身性ステロイド薬などを服用している場合は舌下免疫療法を行えないことがあります。現在飲んでいる薬は必ず受診時にお申し付けください。
副反応について
一般的に服薬開始から1ヶ月くらい、服用してから30分以内、スギ花粉症の方はスギ花粉飛散期に副反応がおこりやすいとされています。治療開始から1ヶ月は増量期といって、薬の量がだんだん多くなっていきます。
この時期に副反応が起こることが多いため、とくに初回投与時は医師の監督のもと投与が行われ、少なくとも30分 は院内に留まっていただく必要があります。よく見る副反応として、口内炎、舌の下の腫れ、のどのかゆみ、耳のかゆみ、頭痛などがあります。
また、アナフィ ラキシーといった全身性の強い副反応が起こる可能性もあり、副反応に対する適切な対処法と理解が求められます。
注意すべきこと
指定された量をきちんと飲み、自己判断で服用を中止しないでください。
この治療には即効性はなく、治療期間として3~5年継続することが重要で、スギ花粉が飛散していないときも含めて365日毎日続けて服用してください。
効果があって終了した場合でも、その効果が弱くなる可能性があります。
服用前後2時間くらいは、副反応を起こしやすくするため激しい運動、アルコール摂取、入浴などを避けてください。薬の効果を保つために服用後5分はうがい、飲食をしないでください。
病状管理のため落ち着いても、月に1回は来院してください。
スギ花粉症の方は、スギ花粉飛散期はスギに対する過敏性が高まっているため副反応が強く出る可能性があります。このため治療開始時期については、6月から12月までが妥当であると考えられています。
予防接種について
「令和6年度」新型コロナウイルス感染症予防接種について
令和6年10月18日(金)より毎週金曜日に予約制で接種を行います。接種希望者は、電話予約のうえご来院ください。
接種時に65歳以上の予診票をお持ちの方は自己負担金2500円です。
(12歳以上で助成対象外の方は16500円です。)
希望の方はインフルエンザ予防接種と同時接種が可能です。
参考:豊島区ホームページ「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について」>>
接種時に持参するもの | 65歳以上の方は区から配られた予診票、薬手帳 |
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服装について | 肩が出しやすい半そでシャツなどの服装でご来院ください |
《接種するワクチン》ファイザー社製
「コミナティ筋注シリンジ12歳以上用 JN.1 」
参考:厚生労働省ホームページ「ファイザー社の新型コロナワクチンについて」>>
インフルエンザ予防接種について
令和6年インフルエンザ予防接種10月15日火曜日より予約制で開始します。
令和6年度より豊島区では小児のインフルエンザワクチン接種費用の一部助成を開始しました。
対象の方は下記金額より2000円助成された金額を窓口でお支払いいただきます。
6ヶ月以上13歳未満 | 1回 3300円 2回接種(2-4週間の間隔をおいて) |
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13歳以上 | 1回 3800円 1回接種 | 65歳以上 | 1回 2500円(高齢者インフルエンザ予防接種予診票持参) |
月曜日、火曜日、木曜日に完全予約制で行います。
ワクチンの入荷状況により予約を中断する場合もございます。
新型コロナワクチンとの同時接種は別枠で金曜日に予約制で行っています。
当院では中学生以下の方は保護者同伴が必要です。18歳未満の場合は保護者の同意が必要です。
高校生以上の18歳未満で保護者の同伴ができない方は、インフルエンザワクチンを接種する際「インフルエンザ予防接種予診票」をダウンロードしていただき、本人の署名(もしくは保護者の署名)の欄に保護者のサインをしてご持参ください。
接種できるワクチン
当院では以下の予防接種は、月曜日・金曜日の午後2時30分より完全予約制で行っております。
ご希望の方は診療時間中にお問い合わせください。TEL:03-3951-0201
0歳~ | B型肝炎 (不活化ワクチン、3回) ロタウイルス (生ワクチン、2回または3回) ヒブ (不活化ワクチン、4回) 小児用肺炎球菌 (不活化ワクチン、4回) 四種混合 (不活化ワクチン、4回) ポリオ (不活化ワクチン、4回) |
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1歳~ | 麻しん・風しん (生ワクチン、2回) みずぼうそう (生ワクチン、2回) おたふくかぜ (生ワクチン、2回) |
3歳~ | 日本脳炎 (不活化ワクチン、4回) |
11歳~ | 二種混合 (不活化ワクチン、1回) |
50歳~ | 帯状疱疹 (不活化ワクチン、2回)または(生ワクチン、1回) |
毎年 | インフルエンザ (不活化ワクチン、1~2回) |
※インフルエンザについては秋から冬に別枠で接種を行います。
VPDを知っていますか?
ワクチンで防げる病気のことです。日本では、毎年多くの子どもたちが、ワクチンで予防できるはずのVPDに感染して、重い後遺症で苦しんだり、命を落としたりしています。世界中に数多くある感染症の中で、ワクチンで防げる病気(VPD)はわずかです。ワクチンはきちんと接種して、防げる病気だけでも予防して、大切な子どもたちの命を守りましょう。
では、どのワクチンから受けたらいいのでしょう。それぞれのワクチンによって、接種する年齢や回数などが違うので、わかりにくいですね。大切な子どもをVPDから守るために、せっかくなら、できるだけベストのタイミングで受けたいものです。